おっさんになれば、行きつけの居酒屋の数がそいつの価値だ。十件や二十件、あって当然であるとは吞兵衛の先輩のお言葉。
僕は別に吞兵衛ではないが、それでも行きつけのお店くらいある。それがこの店、大森のはずれにある「旬の店 あずまし」だ。
一軒家の一階に作られた、本当の隠れ家的居酒屋だ。
大森駅から少し遠いというのも良いポイント。徒歩15~20分程度。タクシーならワンメーター。喧騒から離れた地元の居酒屋さんって風情だ。
早速、中に入るといきなりカウンターが並び、アウェイ感があるが、すぐに気立てのいい店主が話しかけてくれる。ホールを担当する綺麗なママに案内されて奥へ行けば広いテーブル席があり、心地よく寛げる空間が広がっている。
まずはビールと行きたい所だが、昨今はベジファーストを心掛けているので、サラダに合う芋焼酎炭酸割からスタートする。
まあ、いわゆるボトルが入っている状態なので、すぐにこちらに手が伸びてしまう。もちろん、喉がカラカラの夏は最初にビールを流し込むのだが……。
お通しが出てきて、料理が来るまでの時間を、そのお通しと友達との小粋な会話で潰す。毎日変わるが、今日は鶏レバーの葱ごま油和えだった。うますぎる。
サラダが到着する頃には、程よく喉が潤った状態になる。サラダはアスパラとトマトのサラダだ。ボリュームが多く、アスパラの歯ごたえとトマトの酸味がマッチしている。
次に頼んだのは旬の魚の「おまかせ三種盛り」。三種といいつつ何種類か乗っているのが心憎い演出である。
今日は珍味と名高い水だこの吸盤まで付いていた。これで1000円とは驚きの安さだ。まぐろも良い赤身で、他のメニュー「まぐろのカルパッチョ」や「まぐろとアボカドのサラダ」などでも堪能できるので是非食べたもらいたい。
次は少し脂ものという事で、カキフライと豚トロの炙り焼きを頼んだ。カキフライには切れ端のマグロのフライが乗っており、ちょっと得した気分。
一個が大きく、プリプリ。これで焼酎一杯行けちゃう代物。
次に出てきた豚トロの炙り焼きもボリューム満点だ。
独特の食感とジュワっと口に広がる甘い脂がたまらない豚トロ。それを香ばしく炙ってあるんだから、もうたまらない。
普通に焼酎三杯いけます。
また、イタリアン料理も豊富でパスタ、ピザも種類豊富に取り揃えている。特におすすめは味噌ピザだ。焼く事によって味噌の香ばしさとしょっぱさが際立ち、チーズとベストマッチする。
大きさもMサイズほどあり、非常にボリューミー。綺麗に切られてくるので手で持ってガブリ行くのがオツだろう。
腹も満腹、身はほろ酔い、心はハッピーで家路へ向かう。吞兵衛先輩の言葉を思い出し、十件や二十件もいらないなぁー、ここ一件でいいやって思ったのだった。
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