ゆで太郎マニアとしては、やはり語りたい。
ゆで太郎の秘密にグイグイっと攻め込む、ゆで太郎解体新書を作っていきます。
まずはこの掛け声から。
情熱一献!
一回目は「そば」です。
・ゆで太郎のそばの美味しさの秘密
ゆで太郎のそばは、「美味しいそばの条件」の三たてを忠実に守っています。
三たてとは
そばの実の挽きたて
そば粉の打ちたて
そばの茹でたて
の三つです。
ゆで太郎全店で24時間以内の挽きたてのそば粉を毎日店に配達し、それを店内の製麵室で打ちます。
注文があったら、それを茹であげて、すぐに提供しています。
普通のそば屋でもここまでこだわっている所は稀有です。
そばに対する強い情熱を感じますね。
・そばのつなぎとは
よくそばではそば粉の割合についての話が出てきます。
そばは麺状でその前に塊にしないと切れないのですが、そば粉は粘りを出すグルテンを含んでいないので、練ってもくっつきにくいという特性を持っています。
そこでつなぎという文化が生まれました。
そば粉と他の粉を混ぜ合わせて作る方法です。
有名なつなぎを上げると、新潟のへぎそばは布海苔を使っています。
また山間部ではとろろなどを使用していました。
二八そばなどの言葉は、諸説ありますが、この割合を指している言葉となります。
二割がつなぎ(小麦粉、とろろなど)で八割がそば粉で二八そば。
そうしないとそばにならなかったんですね。
つなぎには、そば状にできるという以外にものど越しを良くしたり、角が立ったりと良い利点があります。
十割そばが一番良いと考えているのは、勉強不足でしょう。
そばはつなぎがあった方が美味しいのは明白です。
・そばは黒い?白い?
そばは黒いってイメージもあると思います。
しかし、それは間違いです。
そばが黒かったのは、まだ技術が足りなかった時代の話です。
江戸時代後期では、技術が確立され、そば粉は白くなり、「江戸の白そば」と言われる高級品となっていました。
現在でも田舎そばと言われるそばは黒かったりします。
それは殻を入れているからです。
そばの実の真ん中は白色と薄いベージュ色です。
そこだけを使うのが本来のそばなのですが、殻まで入れると色や香りが付きます。
ただ、それはそばの香りではなく穀物臭のような感じになります。
安いそばを作る際には、殻まで入れて少しでも利益を出そうとする場合もあります。
立ち食いそばなどでは、黒ければそば粉が入っていると勘違いするために、わざと黒い色を入れたりしている事があるなんて暴露本も出されていました。
逆二八そばなんて言って、そば粉二割、小麦粉八割もあったりしたようです。
色が黒い=そば粉がたくさんは間違いですので気を付けましょう。
・ゆで太郎のつなぎと割合は
ゆで太郎のつなぎは小麦粉です。
割合はそば55%、小麦粉45%です。
たまにTVや雑誌などでゆで太郎はそば粉は5割!って言っていますが、5割より上です。
もっと正確に言えば中層粉(そば)5・石臼粗挽き(そば)1・小麦粉5でブレンドしていますので54.55%になるのですが、そば粉55%って覚えておけば問題ありません。
ゆで太郎の東宝医大通り店には、そば粉の説明と見本が置いてありますのでゆで太郎通なら是非行ってみましょう。
同価格帯のお店で、このそば粉比率は驚異的です。
間違いなく一番でしょう。
・そばの美味しさとは
そばの美味しさとはどういったものがあるのでしょう。
細かく分類すると以下の通りになります。
そばの香り、風味
角
歯触り、舌触り
歯切れ
コシ
などがあります。
まず、よくいわれるそばの香りというのは、挽きたてじゃないと感じられません。
そして、繊細です。
そばつゆをつけ過ぎると一瞬で消えてしまいます。
だから、半つけ、ちょんづけなどが言われるわけですが、最近はそばつゆが美味すぎますからね……。
どうしてもつけ過ぎてしまうかと思います。
そんな時は、最初の一口はそばつゆ無しで行きましょう。
また、塩を軽く振るだけの塩そばにするのも手です。
そうすると、そばの香りを感じることができると思います。
この繊細なそばの香りは、そばつゆで消えてしまうほど儚いのですが、食べた時の奥深さはこの風味だったりします。
次に角。
よくそばの角が立っているなんて言いますが、そばの断面は丸ではなく四角なんです。
しかし、加水量や使っているそば粉などによって、丸くなったりするので、角を立たせるのは大変だったりします。
この角があると、歯触り、舌触りがガラリと変わり、噛むとプツンっと感じたりします。
そして、歯切れも良くなり、ねっちゃり感と言いますか、クチャクチャ感が失われるのです。
最後に、コシ。
こちらも勘違いしている人が多いのですが、ラーメンのかため=コシがあるって思っている人が多いと思います。
エセグルメライターや食べログなのでレビューで間違った見識が広がっているので、訂正しておきます。
コシがあるそばというのは硬いそばの事ではありません。
コシとは、先ほどの歯触り、歯切れにも通じる所があるのですが、鉄の硬さではなくゴムの硬さです。
ゆで時間が短いそばは、ただ硬いそばです。
それはコシではなく、硬さです。
コシとは、噛んだ時は柔らかいのに、弾力がある事を指します。
歯への跳ね返りです。
讃岐うどんのコシは凄まじいなんて言いますが、硬いだけのうどんが散見されます。
噛んだ時に硬いと感じたら、硬いんです。
噛んだ後に跳ね返りを感じたら、コシがあるんです。
この違いを良く理解しておきましょう。
ゆで太郎では、香り、風味を無くさないように挽きたて24時間以内に店舗配送されています。
また、打ちたてそばも一日で使い切ります。
だからこそ、そばの香り、風味、角、歯触り、舌触り、歯切れ、コシを感じられるそばを提供できるのです。
・麺上げの秘密
上記のそばの角、コシなどを損なわないためには麺上げの湯切りが非常に重要になります。
ラーメンの麺のように強くないので、テボでガンガン振ってしまうと角が潰れて、麺が傷つき、水分をより吸収してコシがなくなってしまうのです。
湯切りでさえ、繊細なのがそばという料理なんですね。
ゆで太郎には釜じいこと立岡さんという方がいらっしゃいます。
メディアでもシニア世代のレジェンドとしてよく取り上げられていますが、立岡さんの湯切りは凄いです。
遠心力のみで水を切るので、そばへのダメージはない状態です。
西五反田本店か五反田TOCにいらっしゃることが多いらしいので行ってみてはいかがでしょうか。
・そばは生き物
そばは茹でたてが一番おいしいです。
そこからどんどん水分を吸って、膨張していきます。
ですので、そばは早く食べた方が美味しいです。
時間で言えば5分、できれば10分以内に食べ終わりましょう。
特に白い蕎麦はどんどん色が灰色になっていきます。
角もどんどん取れて丸くなっていきます。
だからこそ、茹でたてじゃないと美味しくないですし、それを素早く食べ進めないと美味しくないのです。
そばは生き物です。
海鮮や野菜などと同じで鮮度があります。
鮮度の良い時に食べましょう。
・ゆで太郎のそばとは
ゆで太郎のそばは、そばを美味しくするための方法論を全て使っています。
挽きたて、打ちたて、茹でたての三たてを守る事はもちろん。
そば粉保有率は驚異の55%。
最ものど越しが良く、食べやすさを追求した結果、そばの太さは約1.4mm、長さは37cm。
そばを持ち上げて、ちょうどお猪口に入る長さであり、すすると程よく口に収まります。
湯切りにもこだわり、盛り付けにもこだわりがある。
それが300円台で食べられるというのは凄まじい企業努力と店員さんたちの熟練の技が成せる業です。
是非、ご近所のゆで太郎に足を運んでみてください。
300円台とは思えないそばを堪能できることでしょう。
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